議会報告ASSEMBLY REPORT

2016.03.31 カテゴリ:2016年 五條高等学校賀名生分校魅力ある推進事業について

吉田
 五條高等学校賀名生分校魅力ある推進事業についてお尋ねしたいと思います。
 初めに、現在の賀名生分校の現状と状況についてお尋ねしたいと思います。

近井稔巳教育部長
 賀名生分校は御承知のとおり四年生の昼間定時制の高校で、農業科と家政科を設置し、学科ごとの定員は定めないで三十名募集しております。
 今年度の学校基本調査では、全校生徒数は農業科二十六名、家政科九名の計三十五名で、定員のほぼ三分の一となっています。また、市内中学校出身生徒は全体の六三パーセントで、残りは主として近隣市町村から入学した生徒でございます。
 十年前までは、現在のように定員を大幅に割ることはほとんどなかったのですが、近年の定時制課程への入学者の減少に加え、地元中学生も減少していることなどから分校への入学者は次第に減少し、特に平成二十七年度の入学者は四名と激減し、このままでは今後もその現象が続くと予測されます。 
 なお、卒業生の進路については、最近十年間の記録では製造業や販売業、サービス業などの就職がほとんどとなっております。
 以上、答弁とさせていただきます。

吉田
 現状を聞かせていただいたら寂し限りなんですけれども、今後、伝統ある五條高等学校賀名生分校について、どのような学校にしていくつもりなのかについてお尋ねしたいと思います。

近井稔巳教育部長
 賀名生分校は設立以来、地域産業である農業の振興を目的としておりましたが、近年、地域の著しい少子化などから入学者は減少しています。また、平成二十二年度の農林業センサスでは、本市の基幹的農業従事者の八割以上が五十五歳以上であると報告されています。
 その一方で、五條市には、全国有数の果樹産地であることに加えて、トウキなどの薬用作物、野菜、花卉類など、農業分野におけるブランドが豊富で、今後、それらをどのように守っていくかが大きな課題となっています。
 こうした現状を踏まえ、教育委員会としては、地域農業の振興や担い手育成の観点から、昼間定時制を維持しながら農業科単独校にし、他府県からも出願できる全国募集を導入したいと考えております。
 これは、本市における農業従事者の高齢化に対応し、絶対数で不足する農業後継者の育成を目指すための施策で、他府県からも若者を流入させ、本市の農業の担い手として育てようとするものであります。
 また、賀名生分校ではこれまでからも「ふれあい健康祭」の名称で地域と連携し世代間交流を積極的に進めるなどの取組を続けています。今後も、地域と密接につながり、地域の活力の維持・向上に貢献する、地域にとって必要な学校としての役割を担っていきたいと考えています。
 以上、答弁とさせていただきます。

吉田
 素晴らしい推進事業化やと思います。しかしなかなか生徒を全国レベルで集めるというのは大変至難な技かなというふうに思っておりますが、しかしそういうふうな前向きな考えでおっていただけるということは、私たち農業者にとっても大変有り難いことでございます。
 それはこれから実行するとすれば、どういう団体からの支援、御協力をいただいて前向きに進めていくのかについてお尋ねしたいと思います。

近井稔巳教育部長
 賀名生分校で全国募集を行って、生徒にとって将来を展望できる学校とするためには、相応の特色と魅力がなければなりません。そのため教育委員会としては、特色ある教育課程の編成、地域と連携して進める実践的な学習、それから就業体験など将来の就農に役立つ活動の三点に取り組み、それを賀名生分校の特色にしたいと考えております。
 まず、一点目の特色ある教育課程の編成については、専門教科を重視したいと考えており、現在、教育委員会内部で検討している試案では、履修科目の四五パーセントを専門教科に充てる計画でいます。ちなみに県内農業科設置校では専門教科の占める割合は平均四〇パーセントで、試案どおりに進めば、より専門教科を重視した教育課程になると考えています。
 二点目なんですが、地域と連携して進める実践的な学習については、実習をできるだけ地域の農園で行わせていただくとともに、県の果樹薬草研究センターなどにも協力要請し、より実践的・専門的な学習ができる環境を整えたいと考えています。
 それから三点目の就業体験などの活動については、一年長い修業年限を生かして 三年生、四年生で週一日、二日、農園や直売所などで、教育課程外の活動として就労活動を体験させ、そうした活動を行うことで、学習成果を深化させるとともに、市内農業法人等への就職など就農に対する関心を高めさせたいと考えております。
 以上、答弁とさせていただきます。

吉田
 以前、北海道の方に、学習に一月くらいですか、修学旅行を兼ねて行っておったという、現在もそうなっておるわけなんですけれども、それは修学旅行として北海道で広い場所を見るというのも大変意味深いことかなと思うのですけれども、今後残していく上において、JAなり、また試験場なりの普及所等々のお世話になってやる以上、地元五條市の野菜なら野菜、果樹なら果樹というところで、ひと月ならひと月、土日なりに実践を習っていただくのが、またそこで農業に対する想いというものが出てきて、そして五條市に将来畑をお借りしてでも農業をしていこうかというような方が出てくれるのではなかろうかなと。それは素晴らしい事業であるということは私も分かっておるわけなんですけれども、それを前向きに進めるというのはなかなか難しいことだと思っております。しかしやる以上は鋭意努力していただいて、前向きに進めていただきたいと思います。
 そしてまた今後の五條高等学校賀名生分校の魅力ある推進事業のタイムスケジュールといいますか、スケジュールについてどうやっていくとかというのを具体的に教えていただけますか。

近井稔巳教育部長
 現在のところ賀名生分校における全国募集は平成三十年度入学者選抜から導入を予定しております。
 そのために必要な事業には、他府県出身生徒を受け入れる寄宿舎の整備のほか、支援していただく農業団体との調整や教育課程の確定など、ソフト面の整備があります。
 寄宿舎の整備については、三十年度当初から全国募集で入学する生徒を受け入れる必要があるため、五條病院看護師寮の改修工事を二十九年度中に、そのための設計を二十八年度中に行う予定でおります。
 次に、ソフト面の整備、具体には教育課程の確定、実習内容の検討、寄宿舎規定の策定、支援団体との調整、あるいは農園等で就労活動の検討などが考えられますが、それらについては二十八年度中にほぼ固め、そうした情報を登載した中学校向けの広報リーフレットを平成二十九年六月中に作成したいと考えております。
 その他、三十年度入学者選抜の方法などについても、県教育委員会と協議し、可能な限り二十八年度中に方針を固めていきたいと考えております。
 なお、平成二十九年度には全国でのPR活動などに力を注ぎたいと考えております。
 以上、答弁とさせていただきます。

吉田
 学校が生まれ変わって魅力ある賀名生分校を造っていただきたいと思います。期待しておりますので、私もできる限りの協力は惜しまなくさせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。

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